公開日 2023年06月02日
電線に止まるムクドリの群れ
近年、夏から冬にかけてムクドリやカラスが市街地をねぐらにしており、フン等の鳥害について対策の要望や問い合わせが寄せられていることから、市では市民と協働で、対策会議の開催や市街地での追い払いの実施など鳥害対策に取り組んでいます。
しかし、ムクドリやカラスも野生鳥獣で生態系の一部であり、本来保護されるものです。また、害虫や動物の死骸などを食べてくれる益鳥でもあることから、この事業の目的としては市街地に大群でねぐらをとるムクドリやカラスの対策が主になります。
人間と野生鳥獣で上手に住み分けできることが理想です。
市では、市民の皆様と協力して鳥害対策に取り組んでいます
鳥害の発生状況について、情報をお寄せください
- ご自宅の周辺や通勤・通学の途中などでカラスやムクドリの群れ、道路への大量のフンなどを見かけましたら、環境生活課まで情報をお寄せください。
追い払い作業について
- 市では市民の皆様と協力して、カラスやムクドリの追い払いを実施しています。お住いの地区で追い払いを実施したい、追い払い方法を教えてほしいなどのご希望があれば、環境生活課までご連絡ください。
鳥害対策の方法について
ムクドリ・カラスの追い払い
市街地で大規模なムクドリ・カラスの群れができた場合、以下のような方法で地域住民の皆様と協力して追い払いを実施しています。
- 追い払いの方法
実施時間帯:夕暮れ時から日没後(概ね6時から8時の間)
追い払いの方法:拍子木や競技用ピストルによる大きな音、カラスの場合はそれらに加えてLEDライトやレーザーポインターによる強い光で追い払います
追い払い区域:群れの集まる場所を中心に周囲500メートルほどの範囲
実施回数:一か所につき3日間ほど連続で行う
- 追い払い実施に関するお願い
追い払い作業中は大きな音や強い光が発生します。ご迷惑をおかけいたしますがご理解とご協力をお願いいたします。なお、実施前には地区の回覧版等で周知させていただきます。
追い払いの実施には多くの方のご協力が不可欠ですので、お住いの地区で追い払いが実施される場合、皆様の積極的なご参加をお願いいたします。
鳥害を防止するためにできること
鳥害には、普段の生活の心がけることで防げるものもあります。市街地のカラス・ムクドリを増やさないよう次のようなことに気を付けましょう。
- 生ごみを捨てる時は、鳥に食べられないよう適切に処分する
生ごみは袋に入れる前に新聞紙に包むなどすると、外から見えにくくなり荒らされにくくなります
- ごみ集積場では、ごみネットやコンテナを利用する
重りのついたネットや蓋つきコンテナを利用することで鳥や猫がごみを荒らすのを防ぐことができます
- 安易な餌付けをしない
野鳥に安易に餌付けをし続けると、鳥が人に慣れてしまい人を見ても逃げなくなったり、人の食べ物を積極的に狙うようになります
- 鳥のフンはこまめに掃除する
野鳥のフンは多くの病原菌が潜んでおり衛生上の危険性があるほか、ハトなどの一部の鳥はフンが落ちているところを「安全な場所」「住みやすい場所」と判断しより多くの鳥が集まってきてしまいます。
電線・電話線への鳥の飛来防止について
電線や電話線への鳥よけ器具の設置は、それぞれの管理者に依頼をしていただくこととなります。設置したい箇所の柱が「電力柱(電線)」「電信柱(電話線)」「共用柱(電力・電話共有)」のいずれなのかを確認のうえで、下記に依頼してください。
- 電力柱(電線)の場合
こちらの「東北電力ネットワークHP『電話でのお問い合わせ』(外部サイト)」から「停電・緊急時のお問い合わせ」に連絡をしてください。
- 電信柱(電話線)の場合
こちらの「NTT東日本お問い合わせ先一覧(外部サイト)」から「設備不良に関するお問い合わせ」に連絡をしてください。
- 共用柱の場合
上記の両方にそれぞれ連絡をしてください。
ムクドリ・カラスの追い払いやフンの清掃用の機材を貸し出します!
町内会や市民の方等がムクドリやカラスの追い払いをしたり、フンの清掃をするのを支援するために、機材の貸し出しを行います。
- 鳥の追い払いについて
鳥の追い払いはなるべく大勢で、広い範囲を追い払うのが効果的です。また、拍子木などの大きな音やLEDライトやレーザーポインターの光など、いろいろな方法で、鳥が慣れないように短期間で集中して追い払いましょう。なお、追い払いの詳しいやり方については市にご相談ください。
- 鳥のフンの清掃について
鳥のフンを清掃するには高圧洗浄機が便利です。水道水と電気があれば比較的楽に鳥のフンを洗い流すことができます。市では20m程度のホースと電源コードの貸し出しも行っていますので、ご利用ください。
- 機材の借り方について
貸し出し機材は一覧表のとおりで、環境生活課で貸し出し、電話等での予約も受け付けます。 ※一覧表はこちら
1.まずは、電話で借りたい機材の種類と数量について空き状況を確認して、借りたい期間を予約してください。
2.次に、機材を借りる日(平日8:30から17:15)に環境生活課で申込書に必要事項を記入します。(免許証等の身分を証明できるものが必要です)
3.貸し出し機材と一緒に申込書のコピーと取扱説明書を渡しますので、内容をよく読んで正しく、丁寧に使用してください。
4.使い終わったら元の状態に戻して環境生活課に返却してください。なお、返却日は厳守してください。次に借りる方が迷惑されます。
●貸し出し機材の予約・お問い合わせ 環境生活課 TEL 0242-39-1221 FAX 0242-39-1420
ムクドリ・カラスの生態
ムクドリ
画像著作権者 古川裕司氏
- 体長24cmほど。
- 黄色い足とくちばし、短い尾。飛ぶと腰の白が目立つ。
- 「キュルキュル」、「ジェー」、「ツィッ」などとさまざまな声を出す。
- 三月下旬から7月までが繁殖期間で、繁殖が終わると群れになり、多い場合は数万羽になることもある。
- 雑食性で特に虫、果実を好む。
ハシボソガラス
画像著作権者 古川裕司氏
- 体長50cmほど。
- くちばしが細く、額がなだらかになっている。
- 「ガー、ガー」と濁った声で鳴く。
- 農耕地、河川などで見られることが多く、日本では全国で繁殖している。
- 木の実、草の実、野菜類、昆虫類、海岸や川辺で見つかる魚やけものなどの死体などなんでも食べる。
ハシブトガラス
画像著作権者 古川裕司氏
- 体長55cmほどでハシボソカラスよりもやや大きい。
- くちばしが太く、額が出っ張っている。
- 「カー、カー」と澄んだ声で鳴く。
- 海岸、河原、農耕地、住宅地、市街地、山地、森林などどこでも見られる。
- 魚をはじめ、動物の死体、小動物、果実、人の出す生ごみなどを食べ、雑食性で自然界の掃除屋と呼ばれている。
カラスの繁殖期間
カラスは3月から7月頃が繁殖期間で、3月頃は巣作りを行い、4月から5月頃に卵を産み、5月から6月頃にヒナが育ち、6月から7月頃にヒナが巣立っていきます。この繁殖の時期は卵やヒナを守るため神経が過敏になっており、場合によっては威嚇・攻撃してくることもあるので巣の近くを通ったりなど、カラスを刺激しないように注意する必要があります。カラスは攻撃する前に威嚇してくるため、それに気づくことが大切です。
カラスの営巣場所
- クスノキ、カシなどの背の高い常緑樹。
- ケヤキ、ムク、エノキなどの背の高い落葉樹。
- 高圧鉄塔、高層建物屋上、電柱となどの背の高い構造物。
- 近年ではソーラーパネルと屋根の間に巣を作ることもあります。
カラスの威嚇行動
- まず「カッ、カッ、カッ」と鳴きながら頭上を飛び回ったり、近くで鳴いたりします。
- それで立ち去らないと、さらに近くで「ガーッ、ガーッ、ガーッ」と濁った声で鳴きます。
- それでも立ち去らない場合は今度はフンや木の枝を落としたり、後頭部を攻撃してきます。
親ガラスに威嚇・攻撃された場合
- 親ガラスに警戒され、威嚇されてしまった場合は親ガラスに背を向けずに、静かに離れましょう。
- カラスが攻撃するときは、後ろから後頭部を足で蹴って攻撃してくるため、帽子やかばんなどで後頭部を守り攻撃を防ぎましょう。
- カラスはいつまでも攻撃してくることはなく、縄張り(巣から半径20mから100m程度)の外まで行けば追ってはきません。
- 攻撃は大抵一羽から二羽で、集団では襲ってきません。
カラスは子供を守るために攻撃するのがほとんどで、繁殖期以外の時期は集団を形成しており、襲ってはこないようです。
カラスにとって人間は怖い生き物であり、我が子を守るために必死なのかもしれませんね。
これまでの取り組み
市民協働の取り組みについて
●市では平成28年度・平成29年度と、会津若松市行政提案型協働モデル事業として市民団体「環境保全会議あいづ」と協働協定を締結し、市街地における鳥害対策事業に協働で取り組みました。
区長会より鳥害対策用の機材を寄付いただきました!
区長会より寄付いただいたメガホンとLEDヘッドライト、レーザーポインタ
会津若松市区長会では毎年、環境フェスタでバザーを開き、収益金を社会福祉や環境保全等の事業に寄付しています。平成29年度は「市街地における鳥害対策事業」に役立てて欲しいと、レーザーポインタ5本とLEDヘッドライト6個、コンパクトメガホン2個、雷管、充電式電池と充電器等を寄付いただきました。
早速、カラスの追払いに使用したところ、非常に効率よくまた、効果的に追い払うことができました。市ではこれらの機材を使い、地域の皆さん等と市街地でのムクドリやカラスの追払いを行うとともに、町内会や市民の方にも貸し出すことにしましたのでご利用ください。 ※詳細は上記「ムクドリ・カラスの追い払いやフンの清掃用の機材を貸し出します!」をご覧ください。
会津学鳳中学校・高校周辺でカラスの追い払いを実施しました!
平成29年10月17・18日の2日間、会津学鳳中学校・高校周辺で地域の町内会や学校、市民団体の方々、延べ40名でカラスの追い払いを行いました。
会津学鳳には平成28年も8月からカラスが夜間ねぐらをとるようになり、11月には1,000羽程度に増えて、歩道がカラスのフンでひどく汚れました。そこでカラスの追い払いを行い、会津学鳳から一時的に追い払うことには成功しましたが、カラスはその後3月まで市街地を転々と移動してねぐらをとり、市街地から追い払うことはできませんでした。
会津学鳳のグランドにある林には8月中からカラスが徐々に集まり始め、追い払いをする1週間前には600羽から800羽程度のカラスが夜間ねぐらをとるようになっていました。
この追い払いでは、平成28年度よりも更に広い範囲を競技用ピストルやレーザーポインタなどの機材を増やして追い払いを行いました。
会津学鳳中学校・高校のグランドを飛ぶカラス
写真提供:学鳳中学校 古川教頭平成29年10月17日午後5時ごろカラスが会津学鳳に集まってきたのを見計らい、競技用のピストルや板材で作った拍子木などで大きな音を出したり、レーザーポインタやLEDライトの光を当てるとカラスは一斉に飛び立って周辺地域へ逃げだしました。そこへ周辺地域に待機していた人たちがカラスをさらに追い払うと、さらに遠くに逃げたり、別の地域に逃げるもの、中には会津学鳳に戻るものなど、散り散りになって逃げだしました。各自の担当地区からカラスがいなくなるまで追い払いを続け、30分程度ですべての地区からカラスはいなくなりました。18日も同様にカラスの追い払いを行い、その後2週間ほど、市街地にはカラスのいた形跡はありませんでしたが、11月になって蚕養神社周辺や行仁地区で、またカラスの大群が確認されています。
やはり、カラスを市街地から追い払うのは簡単ではないようです。
講演会「賢いカラスに負けない撃退法を考える」を開催しました。
平成29年9月30日(土)午後3時から、会津若松市文化センター展示室兼会議室において宇都宮大学農学部の杉田昭栄教授による講演会「賢いカラスに負けない撃退法を考える」が開催されました。
杉田教授はカラスの能力や知能を行動調査だけでなく、解剖学や様々な実験などから研究しており、講演ではその驚くべき能力や知能、そして習性などの紹介のほか、全国の都市で同様の問題が起きていることと、現時点ではこうすればカラスを市街地から追い払えるという確実な方法は無く、地域ごとに工夫をして追い払うことが必要だとお話しいただきました。
最後に質疑応答では、他都市での追い払いの取り組みから追い払い方法を参考にしたいという声が出されたり、ひとつの市だけでは根本的な解決は難しく、周辺の自治体と広域で取り組むべきとの意見が出されるなど、活発な意見交換がされました。
カラスのフン清掃試験を実施しました!
平成29年7月21日(金)カラスのフンの清掃試験を実施しました。
付近の住民宅から水道と電源を使用させていただき、職員が高圧洗浄機1台と電源コード、延長ホースを持参し、一人で清掃を行いました。
高圧洗浄機の最も高圧のノズルで清掃したところ、地面とノズルの距離20cm程度で数秒噴射するだけでカラスのフンを取り除くことができました。
30mほどの距離を30分程度で清掃することができました。
清掃前
清掃後
講演会「ムクドリ・カラスよ 森に帰れ」を開催しました!(平成28年8月20日)
平成28年8月20日(土)に会津迎賓館にて、鳥類生態の専門家である中村浩志先生をお招きし、講演会「ムクドリ・カラスよ 森に帰れ」を開催しました。また、講演会終了後、駅前地区においてムクドリの追い払いを実施しました。
(駅前ムクドリの追い払いと講演会「ムクドリ・カラスよ 森に帰れ」を実施しました!へのリンク)
お問い合わせ
- 会津若松市役所 環境生活課
- 電話:0242-39-1221
- FAX:0242-39-1420