公開日 2023年11月28日
更新日 2025年01月30日
糖尿病ってどんな病気?
メディアでもよくとりあげられており、生活習慣病のひとつである「糖尿病」ですが、どのような病気かご存じですか。
糖尿病とは、すい臓から分泌されるインスリン※というホルモンの不足や作用低下によって血糖値の上昇を抑える働き(耐糖能)が低下し、高血糖が慢性的に続く代謝疾患群です。
食事によって吸収されたブドウ糖は、すい臓から分泌されるインスリンによって細胞内に取り込まれます。しかし、インスリンの量が足りず、またその効き目が悪くなると、血液中にブドウ糖が残り、慢性的に高血糖状態になります。これが糖尿病です。
糖尿病は、加齢、遺伝、肥満、食べ方、運動不足のほか、高血圧や脂質異常も発症要因となることから、これらの危険因子の管理を行うことが大切です。
また、糖尿病は初期の段階では、自覚症状がないことが多く、のどが渇きやすい、疲れやすい、体重が減った等の症状がでた場合には病気がすでに進行している場合も少なくありません。早期発見するためには、客観的に自分の身体の状態を知ることができる血液検査が大切です。
糖尿病に関する検査
糖尿病に関する検査は、主に血液検査と尿検査で、次のことがわかります。
- 「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」過去1か月から2か月の平均的な血糖値の状態
- 「血糖値」検査した時点での血液中のブドウ糖の濃度
- 「尿糖」尿中のブドウ糖の有無
※ 基準値については、健康診査の結果を確認しましょうをご覧ください。
糖尿病の診断
糖尿病の診断は、高血糖が慢性に持続していることを証明することによって、医師が行います。
糖尿病は何回かの検査を組み合わせて診断されますが、健診結果で次に該当する方は糖尿病である可能性が高いので、必ず医療機関で検査を受けてください。
- HbA1c6.5%以上
- 空腹時血糖(食事から10時間以上あけて測定。一般には前日夜9時以降絶食し、翌朝食事前に採血し測定した血糖値)が126mg/dl以上
- 随時血糖(食事とは関係なく測定した血糖値)が200mg/dl以上
会津若松市の現状
日本の糖尿病患者数は、生活習慣と社会環境の変化に伴って急速に増加しています。会津若松市も例外ではなく、糖尿病の方は増加傾向です。厚生労働省の調査によると、糖尿病が強く疑われる人は約950万人、糖尿病予備群は約1100万人と推定されています。
本市の特定健康診査のHbA1cの結果を経年で見ると、令和4年度は、HbA1cが5.5以下の正常値の方の割合が減少し、保健指導を要する数値であるHbA1c5.6から6.4の方が増加、受診を要するHbA1c6.5以上の方の割合は減少・横ばいにあります。HbA1cが高い状態が続くと、血管障害である、心疾患・脳血管疾患・腎障害(人工透析)のリスクが高まります。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー) の測定結果割合(%) |
正常 (5.5以下) |
保健指導判定値 (5.6から6.4) |
受診勧奨判定値 (6.5以上) |
再掲 (7.0以上) |
---|---|---|---|---|
平成27年度 | 54.0 | 38.1 | 7.9 | 4.0 |
平成28年度 |
50.6 |
41.2 | 8.4 | 4.4 |
平成29年度 | 44.2 | 46.6 | 9.1 | 4.6 |
平成30年度 | 48.8 | 42.5 | 8.7 | 4.4 |
令和元年度 | 49.8 | 41.0 | 9.2 | 4.9 |
令和2年度 |
48.5 |
42.0 | 9.4 | 5.2 |
令和3年度 |
49.3 |
41.2 | 9.4 | 5.1 |
令和4年度 |
47.4 |
43.1 | 9.4 | 4.7 |
令和5年度 | 42.3 | 47.5 | 10.2 | 5.6 |
出典:健康増進課統計
あなたはどこに当てはまりましたか?
糖尿病の治療の基本は、「食事」と「運動」による生活改善です。肥満の方は減量も効果があると言われています。
「食事」と「運動」による生活改善に取り組みながら、HbA1c6.5以上の方は、一度医療機関を受診し、医師の指示に従いましょう。
HbA1cが高いままでいることは、血管に負担がかかり、合併症を引き起こしやすい状態のため、服薬の指示が出た場合、生活改善と合わせて服薬することで、血管への負担を減らすことにもつながります。
糖尿病の合併症
糖尿病は自覚症状がないことが多く、気づきにくいため、長い間高血糖状態が続き、糖尿病と診断された時には、すでに合併症をおこしていることも少なくありません。
糖尿病の三大合併症は、「神経障害」、「網膜症」、「腎症」の障害であり、それぞれの頭文字をとって「し・め・じ」と覚えましょう。
糖尿病の合併症はそのほかにも、高血糖の程度が軽い境界型からでも、全身の動脈硬化の進行、脳梗塞や心筋梗塞を引きこし、癌や認知症など日常生活に支障が生じることが多いです。境界型からでもおこる合併症の主なものとしては、梗塞、癌、認知症があり、それぞれの頭文字をとって「こ・が・に」と覚えましょう。合併症を予防するために、境界型からでも血糖コントロールを良好に保つことが重要です。
糖尿病リスクを回避するために
糖尿病予防のためには、まずは健診を受けて、身体の状態を知りましょう。自覚症状の乏しい病気をみつけるためには、客観的にみることができる血液検査や尿検査が重要です。すでに、健診を受診された方は、結果を今一度ご覧ください。
糖尿病と診断されている方は、定期通院で血糖が良好にコントロールできているか確認しましょう。「症状ないから大丈夫!」などと思うのは危険です。糖尿病治療ガイド(日本糖尿病学会 編・著)には、「糖尿病は治癒する病気ではないので、決して通院(受診)を中断しないように」と記載されています。自己判断で、治療を中断することのないようにしましょう。
日常でできることとしては、生活習慣を見直すことから始めましょう。基本は食生活です。自分の活動量に見合った食事量でバランスの良い内容を心がけましょう。
また、運動も生活にとり入れましょう。運動は、食事後、1から2時間の間に行うと、食事によって上昇した血糖値を低下させます。室内でできるストレッチや軽い運動でも効果が期待できますのでぜひやってみましょう。意識して、今より10分多くからだを動かしましょう。詳しくは、こちらをご覧ください。
また、気軽に取り組むことができる健康づくりプロジェクト「會津LEAD」をご活用ください。
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「生活改善ってどうすればいいの?」「食事と運動って言うけど具体的なことがわからない」「健診は受けたけど結果の見方がわからない・・・」「健診でわかることってどんなこと?」などの、生活習慣や健診結果のことについては、お住まいの地区の担当保健師が対応しますので、ご活用ください。
お問い合わせ
- 会津若松市役所 健康増進課
- 電話番号:0242-39-1245
- ファックス番号:0242-39-1231
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